法要について

法要とは、故人のご冥福を祈って、親族をはじめ、親しかった友人、知人が参列し、お寺、もしくは僧侶を招いて執り行う供養・儀式の事です。

なお「法要」は、僧侶の読経・焼香などの供養、儀式のみを指し、その後に会席(お斎)なども併せて行う場合は、法要も含めて「法事」と言います。
 

法要の種類と執り行う時期について

法要には、亡くなられてからの時期に従って執り行われる忌日法要、年忌法要と、納骨、お墓を立てたときなどに執り行われる墓前法要の3種類に大別されます。

忌日法要とは、故人の命日から7日毎に、49日までと100日目に行う法要で、年忌法要は、命日から満2年目までは毎年、それ以降は、4年、6年毎を交互に満32年目まで行う法要のことです。

一方、墓前法要とは、新しくお墓を立てた時や、納骨、墓じまいなど、故人が亡くなれてからの期日に関係なく、お墓の前で執り行う法要のことです。

故人が亡くなられてから執り行う法要の回数は、葬儀に併せて行う「式中初七日」を除くと、四十九日、一周忌、三回忌の計3回が一般的な回数です。

また、四十九日までにお墓の準備が間に合わない場合、納骨法要は、お墓の準備が整ってから、別途、墓前法要にて行うことになりますので、その場合は、計4回、ご遺族は法要を執り行うことになります。

忌日法要

初七日(しょなぬか)は、式中初七日として葬儀と併せて行い、二七日(ふたなぬか)から六七日(むなぬか)までは、親族のみ、若しくは法要を省略し、開眼、納骨と併せて、四九日(しじゅうくにち)に纏めて行うのが最近では一般的です。

四九日では、親族、故人の知人、友人も参列し、僧侶の読経・焼香にて故人を供養してもらいます。

法要名 期日 通例
初七日 7日目 式中初七日が通例
二七日 14日目 ご遺族のみで、僧侶の供養は省略が通例
三七日 21日目 ご遺族のみで、僧侶の供養は省略が通例
四七日 28日目 ご遺族のみで、僧侶の供養は省略が通例
五七日 35日目 ご遺族のみで、僧侶の供養は省略が通例
六七日 42日目 ご遺族のみで、僧侶の供養は省略が通例
四九日 49日目 ご遺族、親族、知人、友人の列席、僧侶の供養が通例。位牌の開眼、お墓の準備が整うのであれば、納骨法要も併せて執り行う
百箇日 100日目 ご遺族のみで、僧侶の供養は省略が通例

 

年忌法要

四十九日以降の百箇日(ひゃっかにち)は、ご遺族のみで供養を済ませることが多く、以降は、一周忌、三回忌を満1年目、2年目に執り行います。

それ以降、法要は省略し、命日、お彼岸のお墓参りといった形の供養を、大半のご遺族が選択されています。

法要名 期日 通例
一周忌 満1年 ご遺族、親族、知人、友人の列席、僧侶の供養が通例
三回忌 満2年 ご遺族、親族、知人、友人の列席、僧侶の供養が通例
七回忌 満6年 ご遺族、親族の列席、僧侶の供養が通例
十三回忌 満12年 省略が通例
十七回忌 満12年 省略が通例
二十三回忌 満22年 省略が通例
二十七回忌 満26年 省略が通例
三十三回忌 満32年 省略が通例

 

墓前法要

会場に祭壇を用意して行う忌日法要、年忌法要と異なり、墓前にて執り行います。

法要名 通例
開眼法要 新しくお墓を立てたとき。ご遺族、親族、知人、友人の列席、僧侶の供養が通例
納骨法要 既にあるお墓に遺骨を納骨するとき。ご遺族、親族、知人、友人の列席、僧侶の供養が通例
魂抜き法要 墓じまい、移転などで遺骨を取り出すとき。ご遺族、僧侶の供養が通例

 

法要前の準備

四十九日、一周忌、三回忌では、ご遺族が施主となり、親族、親しかった友人、知人に列席、菩提寺の住職、埋葬先が霊園であれば、葬儀の際にお経をお願いした僧侶に供養をお願いします。

特に四十九日は、故人が亡くなられたからあまり時間が経っていないため、気持ちの整理がついていないことや、位牌、仏壇、納骨先、お墓、遺品整理などの準備にも追われているので、施主は法要の準備に、かなりの負担が強いられることになります。

四十九日法要で準備すること

  • 僧侶への法要の依頼(戒名、開眼、読経、法話、焼香、納骨、塔婆)
  • 法要会場の手配
  • 親族、参列者への連絡
  • 仏壇の購入、位牌の作成
  • 石材店にお墓への字掘りの依頼(既にお墓がある方)
  • 書類の準備(お墓がある場合で、埋葬許可証、墓地使用許可書、受入証明書、改葬許可証など)
  • 会席(お斎)、もしくは法事料理を扱っている飲食店の手配
  • お供え物の準備
  • 引き出物の準備
  • お布施、心づけ、お車代、お膳料の準備
  • 挨拶の準備

一周忌で準備すること

  • 僧侶への法要の依頼(読経、法話、焼香)
  • 法要会場の手配
  • 親族、参列者への連絡
  • 会席(お斎)、もしくは法事料理を扱っている飲食店の手配
  • お供え物の準備
  • お布施、心づけ、お車代、お膳料の準備
  • 挨拶の準備

三回忌で準備すること

一周忌と同じ

墓前法要で準備すること

  • 石材店にお墓や字掘りの依頼(開眼、納骨の場合)
  • 石材店にお墓の撤去・解体の依頼(魂抜きの場合)
  • 僧侶への法要の依頼(戒名、開眼、読経、法話、焼香、納骨、塔婆)
  • 親族、参列者への連絡(開眼、納骨の場合)
  • 書類の準備(埋葬許可証、墓地使用許可書、受入証明書、改葬許可証など)
  • 会席(お斎)、もしくは法事料理を扱っている飲食店の手配(開眼、納骨の場合)
  • お供え物の準備
  • 引き出物の準備(開眼、納骨の場合)
  • お布施、心づけ、お車代、お膳料の準備
  • 挨拶の準備(開眼、納骨の場合)

 

法要当日の服装

法要は、親族を始め、故人に深く所縁のある方たちに加え、供養を行って頂く僧侶、石材店、仏壇店のスタッフの方々が参列される儀式ですので、正喪服で列席するのが通例です。

男性の場合は、黒のスーツ、黒のネクタイ、白のワイシャツが基本ですが、女性の場合は、葬儀の時と異なり、着物ではなく、黒のワンピース、もしくは黒のスーツを着用して参列するのが一般的です。

また小さいお子さんが参列される場合は、黒、紺、グレーが基調の無地のブレザーやワンピース、既に幼稚園に通っているのであれば、制服で参列されても問題ありません。

高校生以下の学生は、制服で参列するのが一般的です。
 

法要当日の持ち物

法要当日は、朝から慌ただしく、特に施主の方は準備と時間に追われることになります。

ここでは、施主の方と参列者の方が法要当日に持参する持ち物について、紹介します。

施主の方の持ち物

  • お布施
  • 遺影
  • 位牌
  • 数珠
  • 埋葬許可書
  • 引き出物

参列される方の持ち物

  • お香典
  • 数珠

 

法要後に行うこと

法要後は、法要を執り行った会場、もしくは法要料理を取り扱っている日本料理店などに参列された親族、故人の友人、知人、僧侶を招き、お斎(おとき)という食事会・会席を行います。

お斎(おとき)は、親族の代表の方による献杯から始まり、施主の挨拶、会食、引き出物のお渡し、お見送りにて終了します。

この時、遠方からいらっしゃった方や僧侶にはお車代をお渡しします。

僧侶の方が会席に参加されない場合は、お布施をお渡しする際に、お車代とお膳料も併せてお渡しします。

また、どうしても都合がつかず、法要に参列できない遠方の親族、故人と所縁の深かった友人、知人などから、お花やお供え物、お香典が贈られる場合があります。

止むを得ず参列出来なかった方たちには、直接お礼を言う代わりに、後日、お礼状を送付し、感謝の意を伝えるようしましょう。
 

まとめ

法要の通例、また、これから法要を執り行う、参列される方のために“法要の心構え”についてご紹介させて頂きましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

法要は葬儀と違い、亡くなれた故人の死を悲しむ場ではなく、施主、故人と所縁の参列者と共に、ご冥福をお祈りし、思い出を振り返ったり、懐かしんだりする、自身への供養でもあります。

施主、参列者、共に良き時間を過ごすことが出来るよう、必要最低限の知識とマナーを身に着けた上での参加も、故人への供養と理解して頂ければ、幸いです。